SMISST対抗戦メモ - 02


 ユッカの出番となり、ユッカはアメモースと共にスタジアムに出た。
 相手――トウマは、すでに相手側サイドに立っている。その前には、ダゲキも。
 立ち止まるなり、ユッカはトウマをまっすぐ見た。
「あんたがトウマね……! あんたのせいでシャクナが幸せになっちゃって、私独り者なのよ! 超寂しいのよ!」
「はぁ……?」
「言いたいことはただ一つ! 散れーっ!」
「ひぃーっ!」

「あーあ、ユッカの姉貴、一発目からあんなんぶっ放しちゃって……」
 ラナンはそう言ったが、声色とは裏腹にワクワクしている。
「ですますじゃない姉貴とか新鮮っすね」
「で、シャクナ、あんたどうすんのよ」
 シャクナの隣に座っていたライラックが言った。
「どうすんのって」
「どっち応援すんの?」
「えっ……」
「言いますねぇライラックさん」
 トウマの反撃がはじまる。シャクナはそれを見ながら、
「わ、私が応援してるのは、サクハチームと、それと、トウマであって」
 と弁解する。
「じゃあこの場合はどっちなのよ」
「うっ……」
「はー、一人で幸せになっちゃってー。俺も姉貴もそういうの、まだだし。俺なんかケッキングに抜かれたからな……」
 ラナンのその言葉に、端にいたリンドがくすりと笑った。

「ユッカー、この対抗戦が終わったら、彼氏探そう、だから頑張ってー!」
「それいいわね! 燃えてきたわー」
「トウマもトウマで頑張れー!」
 トウマ親衛隊の声援にも負けず、シャクナは叫ぶ。
「え、お、おうっ! 燃えるぜー!」

「まあ、ああいう奴だよな」
 ラナンは苦笑した。シャクナは声を出しただけで疲れたようで、またベンチに座る。
「正直シャクナは若いし羨ましいけど、恋人なんて、なかなか面倒くさいもんだよ」
「それはリンドさんだから言えるのであって」
「君のケッキングを見てごらんよ」
「ハハ……」


 水方おりえさん宅、セイカイ地方のトウマ君お借りしました。