SSS集


・ネタ置きついでにSSSにしておきますかーというスタンス
・いずれちゃんとSSにしたいものも……

 メールでは互いに饒舌なのに、いざ会ってみると双方とも口を開かないのは、無口だからか、全て伝わっているからか。ふいにボールを取ってみせると、待ってた、と彼が目で応える。バトル論議より楽しい、ブレーン同士の本当のバトル。
(あおきさん宅ウォード地方ブレーン・ゼタくんとカグロ)

 無口でテレパシーが使える、エスパータイプのエキスパートたるもの、本来はこういう雰囲気を持つべきなのかもしれない。昼下がり、共にカフェで過ごす少女はもう既にその雰囲気を持っていて、幼くしてこの立場にいることも納得ができた。シュガーはいかがかな、テレパシーの返事は自分にはわからないが、彼女はほのかに笑った。
(comさん宅ウモレビ地方ジムリーダー・アマナとオモトー)

 随分と威勢のいい挑戦者が来たものです、とフィールドの向かい側に立ったジムリーダーが言う。この地方に来た理由ですから、言って繰り出すポケモンはもちろんワタッコだ。相手はどのタイミングで出してくるか、その瞬間をただ楽しみに。
(69さん宅レーゲン地方ジムリーダー・カミツさんとマーニー)

 弱い女は嫌いだ。髪の色と目の色が似ていなければ、こういう感情すら抱くことはなかったとは自覚している。彼女がふと見せた笑顔を脳裏から引き剥がして、ランクルス、いくよ、彼女も持っていたそのポケモンを連れて、また南の砂漠で何も考えずにいられたら、と思う。
(本藤さん宅チトセさんとトリカ)

 もふもふくん、とポケスロンで知り合った彼女が語ったポケモンは、自分が追い続けているポケモンに特徴が似すぎていた。かつて助けられたらしく、穏やかで逞しいポケモンだったという。もーちょい話聞かせて、そう言って指差した飲食店は、エンジュシティの焼肉屋“炎亭”。
(本藤さん宅アカリちゃんとチョウノ)

 再会は最悪であった。火花を散らせば、大好きなポケモンはまた去ってしまう。エンテイ行ってしもたやん、と怒れば、ざまぁないですねと笑う。そんな笑い声をよそに、エンテイもこのおかしなやりとりに笑っているのだろうか。
(本藤さん宅モニカちゃんとチョウノ)

 ギンガ団、というのがどういう団体なのか、CMで見ただけだからよくわからない。だが、自分とあまり変わらない年齢でもう仕事に就いていることは素直に尊敬できた。だから素直に、十五歳でお仕事ってすごいね、でも昇進できないんだねーと言えば、オレはロードワークが好きだからしたっぱでいーのと返ってくる。私もそういうの好きだからお友達だね、言えば彼は一瞬黙り、仕事が入ったと言ってすぐに去ってしまった。
(藤巻ぼくさん宅アリエルくんとゼウラ)

 さっきまでは真面目にバトルをしてくれたお姉さんだったのに、大都会ヒウンシティに着いた途端道に迷ってあたふたする彼女がおかしくてたまらない。どうしようどうしよう私がちゃんとしなくちゃいけなかったのにどうしよう、なんて言って泣くまいとする仕草を見て、逆に距離を感じなくていいからもう少しこのままでいいや、と思っている自分がいる。
(高倉りんさん宅アズキちゃんとアリコ)

 あれ、アズキさんですか、言えばその女性は優雅に振り向いた。そいつはシオンだぜ、俺が待ち合わせしてたんだと背後から声をかけたのは同僚のダイジュ。そんな、ごめんなさい、と顔を上げれば、まぶしい笑顔を見せて、いいんですよ、と。この人こそダイジュが惚れた女性だ、そう気づくまで、時間はそんなにとられなかった。
(高倉りんさん宅アズキちゃん名前だけ、六花さん宅シオンちゃん、拙宅アリコ、ダイジュ。シオンちゃんとアズキちゃんの雰囲気が似ているというのに萌え禿げてます)

 ホームシック、というのだろうか、とにかく彼女は少し元気がなかった。とはいえ帰ってもらうわけにもいかない。そこで、彼女は薄暗い場所が好きという変わった趣味を思い出し、自分も所属する施設であるバトルホールウェイに挑戦しないかと誘う。この薄暗さ落ち着きます、そう言って胸をなで下ろす彼女を見て思う。もうこの人ダメかもしれない。
(六花さん宅シオンちゃんとダイジュ)


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