💙電車通学すら面倒がった女が鉄道擬人化漫画を1000ページ描くようになるまで

はじめまして。みりめいと申します。
鉄道と歴史が好きで、それらを組み合わせた擬人化漫画を余暇に描いている奈良県在住の会社員です。
直近では近鉄の名阪特急史漫画(各独立私鉄の開業から、乗り換え不要の名阪ノンストップ特急が運転されるまで)を完結させ、現在資料を増やして手直し中。

年間500ページ描くほどには鉄道にはまってしまいましたが、元々鉄道好きだったわけではなく、高校時代まではむしろ嫌いでした。
この記事では私自身のことと、名阪特急史漫画完結までの道を綴っていきます。

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index – Kawaii Railroads鉄道擬人化漫画サイト。近鉄の歴史ものと海外ネタ中心に500ページ以上掲載しています。millie-may.net

1.登校が億劫で鉄道好きになろうと決めた

幼い頃は兄と一緒にプラレールを家中に張り巡らしていましたが、レゴやシルバニアと同じく、工夫して自分なりに遊べるという要素が気に入っていただけで、鉄道そのものが好きなわけではありませんでした。
鉄道ファンなら一度は聞いたことがあるであろう、目で追えないほどカオスな配線で人気の大和西大寺駅も日常的に利用していましたが、鉄道や地理に興味が無ければややこしいだけ。

小学五年生の頃、習い事が母の車送迎から電車通いにかわり、夜のホームで乗らない電車を何本も見送り、やっと来た各駅停車で帰る……という日々は、誠に面倒なものでした。

高校は徒歩通学で、大学入試を前に習い事をやめたため、億劫な電車通いがなくなって超快適だった一年。
大学からはまた電車通学になることが確定し、
あの習い事後の地獄再び!? しかも週6で、距離が伸びる!?

と、楽しい大学生活への夢想とは別に、そんなことを考え出した高三の冬。
歴史学に興味があり、大学も史学科への進学が決まった今、いっそ鉄道の歴史を調べて好きになってしまい、通学、その先の通勤の億劫さからオサラバしてしまおう! と思い立ったのでした。

その頃の女子高生オタクの流行りといえば、もっぱら『ヘタリア』。
国家や地域を擬人化したコメディ漫画で、その後の「女性向け擬人化作品」にも多大な影響を与えた作品……と説明しておけば間違いはないかと思います。
西洋史のゼミで知り合った同回生も、『ヘタリア』の影響を挙げる子が多く、休み時間に推しキャラの話をしたものですが、この作品に出会ってから、日常で興味を抱いたものを「擬人化キャラ妄想」する日々が始まりました。
それまでも漫画は趣味で描いていたので、ここで、調べた鉄道史から擬人化キャラを作って、描けそうなら漫画に……という、ざっくりしたビジョンを決めました。
まず、日常利用で抱く要素から「近鉄くん」と「JRくん」を作って、ここからさらに元ネタ要素を足していくこととしました。
今の近鉄奈良線と、JR東海道本線の次男です。

2.想像をはるかに超えていた近鉄史の奥深さ

時は2011年。
その頃、知識をカジュアルに得る手段として私が利用していたのが、「個人サイト」と「ニコニコ動画」でした。
また、近鉄は公式サイトの歴史ページが充実していたので、それらから近鉄史の概説を頭に叩き込みました。

大阪上本町-奈良間からはじまったこと。
雨の日は奈良への観光客が少なく、切符の印刷すらままならない弱小私鉄だったこと。
経営が安定するようになってから、橿原、伊勢、名古屋へと、拡大戦略に切り替えたこと。
その過程で、多くの地方私鉄を買収・合併していること。
それらの地方私鉄も、すぐ合流に応じた会社と、単体で大手と認められ大軌の進出にも敵対的な、いわば中ボスの立場を取る会社があったこと。

まさに「仲間を増やして次のまちへ」。
あまりにポケモン的なサクセスストーリーに魅せられ、当時の「通学を楽しくする」という、なかば黒い思惑を超えてハマってしまいました。
通学で利用していた近鉄京都線も被合併の元独立私鉄と知り、キャラを「近鉄くん」から分けて「近鉄京都線ちゃん」を作りました。
漫画も少しずつ描き始めていましたが、その頃はキャラも知識も少なく、内容は主に、毎日利用していて思ったことや駅で発見したことをキャラに喋らせる4コマ漫画でした。
魅せられたのは「歴史」ですが、近鉄の被合併会社の歴史は非常に複雑で、調べ始めた一個人が漫画にできるようなものではなかったのです。
というわけで、より詳細な「一次史料」を図書館で漁ることにしました。
そうして、『近畿日本鉄道100年のあゆみ』を読んで漫画を描きました。
2014年に発表した『日帰り伊勢物語』です。
近鉄の前身・大阪電気軌道が伊勢/名古屋を目指すにあたりつくった子会社「参宮急行電鉄」(以下参急)が主人公の、王道少年漫画……になる予定の漫画でした。

3.擬人化漫画を描く難しさと楽しさ、ゆえに終わらない加筆修正

2015年に社会人になり、大学や図書館などアカデミックな世界から遠ざかったのと、他の漫画を描き始めたので、これは一旦未完に終わりました。
その後、うつ病からの離職、地元で再就職し徒歩通勤となって鉄道自体から遠ざかり……などの理由で数年筆を置いていたのですが、いつかは再始動して仕上げたい! という思いは消えませんでした。
そして2019年に、『前略 伊勢電のこれまで』という前史漫画を追加して復活。
近鉄名古屋線の前身・伊勢電気鉄道(以下伊勢電)を主人公とした10ページの短編を描き、その後は『日帰り伊勢物語』の描き直しバージョンに繋げ、参急vs伊勢電のライバル対決をより華やかに描写することを目指しました。

そして、参急の宇治山田駅到達をもって、ストーリーは完結。約100ページ、構想を除いた期間は約一ヶ月でした。
その後、名阪特急が乗換えなしのノンストップとなる「1959年12月12日」その日までを描ききることを目標として、何度かタイトルを変えて続けることとしました。

しかし、この頃はほとんど『100年のあゆみ』を参考に描いていたので、近鉄史の真髄を読み手さんに伝えるには力及ばず、キャラクターも掘り下げが足りない状態でした。

そこで、被合併会社側のエピソードや地方自治体史、論文なども図書館で閲覧・複写。
さらにストーリーが広がり、参急→近鉄山田線/大阪線、伊勢電→近鉄名古屋線が戦ったり歩み寄ったりする本筋以外にも、志摩電気鉄道(近鉄志摩線)や三岐鉄道を主役とした番外編を描いたり、イデオロギーに絡んだ伊勢神宮の変遷を描いたりもしました。
そして、本編は2020年5月に一旦完結しました。

全編通し読みしてみて、やはり気になるのは、序盤の展開……
参考資料が少なかったため描写が一元的になっているだけでなく、脇役となる小私鉄も唐突に出てきて読み手さんに愛着を持ってもらえない、そもそも絵の粗が目立つ……など。
そして、三度目の描き直しとなったのが、『不遇私設鉄道 伊勢電追想録』と『(新)日帰り伊勢物語』です。
こちら二編はPDFで頒布しました。

※今後の公開予定につきましては私のTwitterにて発信を予定しています

この編では、新たに東京横浜電鉄(東急東横線)が本筋に関わったりと、またマイナーチェンジをしていますが、彼と参急の関係性の描写は途中で切れており、未完状態。
ただ、『金森又一郎翁伝』(近鉄の4代目社長、実質創業者として語られる人物の伝記)を読んだ時に少し感じるものがあったので、最終的に二者はどうやって主義の違いを理解しあったのか、という展開は決めてあります。
……というわけで、まだまだ続く加筆修正。
これも「永遠のβ」といえるでしょうか。

少しずつ知識と画力を蓄積しながら、今後も近鉄史やその他鉄道史、沿線文化の面白さを発信していけたらと思います。お読みくださる方、いつもありがとうございます。
noteでは、キャラの行動や台詞の元ネタになった一次資料の紹介をしていこうと思案中。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします!

『名阪シリーズ』の本編(β版)はサイトで全話お読みいただけます。

index – Kawaii Railroads鉄道擬人化漫画サイト。近鉄の歴史ものと海外ネタ中心に500ページ以上掲載しています。millie-may.net

また、当サイトのサブスクでは増ページの完全版をお読みいただけます。
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