Stage 3 : クダイシティのスタンプラリー!


 道路に面した壁は、ボコボコになっていて、火山を連想させる。
「れすとらん、マグカルゴ亭……ここか」
 なんでも、入り口のプレートによると、サクハ地方の中心部にある休火山、アカガネ山をイメージしているらしい。その山は、 この町からでもよく見える。
「よし、スタンプくださーい!」
 ヒロトがドアを動かすと、鈴が心地よい音を立てた。
 それに応えたのは、老けた女性だった。
「いらっしゃい。スタンプだね? あいにくだけど、今ここは手が足りていないんだ。何か料理を手伝えそうなポケモンはいるか い?」
「えっ……い、いますけど、アチャモが」
「よし、決定! ついでに持っとる野菜も出せい」
「ええー……」

 厨房でアチャモを出し、指示された鍋のある場所へ行く。
「頼むぞアチャモ、これもスタンプのため! ……ひのこ!」
「チャーモチャモチャモチャモー!」
 アチャモは勢いよく火の粉を繰り出す。
 まだまだ威力が高いとは言えないが、それでも旅立ちの頃よりは成長を感じられる。
「よし! そのまま……」
「はいはい! そっちが軌道にのったら、今度はこっち! 食器洗いだよ!」
「ええっ!?」
「アチャモにそれをやってもらってる間、お前さんは暇だろ!」
「……うっ……これもスタンプのため……」

 お昼のラッシュが終わって、ヒロトとアチャモはほっと息をついた。
「よし、合格」
「や、やったー!」
 女性の夫と思しきシェフが、カードにスタンプを押した。
「それと、これじゃ」
 女性は、ボウルに入れて何かを持ってきた。近くで見ると、それは野菜スープだった。
「えっ……これって」
「そう、お前さんが持ってきた野菜だよ。手が足りてないなんて嘘っぱち。ちょっとからかってやっただけさ。まぁ、今日はちょ っとばかりお客さんが多かったけどねぇ」
「な、なぁんだ……いただきますっ!」
「チャモー!」

 残りは、ラムネ屋サンパワーのみ。ヒロトは、そこを目指して、商店街の東端へと向かいはじめた。br>
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