「さて、ここが最後」
ミステリープレートを探していた一行の最終到達点は、あのクレーター村だった。
「ここ?」
「そう! 真ん中のオアシスに沈んでいるの」
「沈んで……ってことは、カグロのネオラントが適任じゃん!」
「え、何そのポケモン? こっちでは聞いたことないわね」
ステラとシャーマンに促され、カグロはボールからネオラントを出した。
「ネーオ!」
「きれいなポケモン! じゃあ、プレートタッチお願い!」
ステラは、自分もすぐそこでサックスを吹いたこのオアシスの水面を眺めた。美しいエメラルドグリーンの水深くに、何かが刺さっているのが見える。
「あれか」
「そう、ミステリープレート・デルタよ」
「よし、ネオラント、頼むぞ」
「ネオーン!」
ネオラントは勢いよく水に飛び込んだ。とても気持ちよさそうだ。
ネオラントはすぐに石版を見つけ、ひれでそれに触れた。
「オアシスヒールッ!」
シャーマンがそう言うと、やはりプレートは赤銅色に輝いた。
「よし、これで全部ね。東へ向かいましょう」
「……?」
□
「キマーッ!」
キマワリはゴローニャに向かって突進する。ゴローニャはその場を動かず、大地に拳をついた。
「ゴロー!」
「キマッ!?」
“じしん”とはまた違う、この攻撃。地面は弾け、高温の空気がエデルたちを包囲した。
キマワリもカモネギも、その場に倒れた。
その高温の空気の中、エデルは我に返った。
「カモネギ! キマワリ!」
エデルは急いで二匹のもとへ駆け寄った。
だが不思議なことに、ポケモンたちに傷はなかった。ただ気絶させるための技のようだ。
ゴローニャはずっとエデルを見ていた。
(ようやく本物が見えるようになったね)
「え?」
(さっきのポケモンたちは幻だよ。弱かったでしょ? 君たちの心の迷いが、晴れますように)
「あなたが、私を……」
ゴローニャはそれだけエデルに伝え、砂地に潜ってしまった。
「あのゴローニャ、ニュートラルポケモンよね。さっきまで不毛だったこの地に、ちょっとずつ草が生えてる。草と炎のエネルギーを持っているんだわ」
エデルはかがんで、草をなでた。
「心の迷い……そうだ、ルーを探さなきゃ」
エデルは立ち上がり、次なる地を目指した。
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