Episode 15 -帰還-


 鳥ポケモンたちは、ミラクルソフィアを吸収し、大きな技を放った。
 雷の力、氷の力、炎の力。
 ミラクルソフィアが三人に示した言葉は、恐らく技の名前なのだろう。
 その三つの力が弾け飛び、下界は黄色、青色、そして赤色に染まった。
 三人も、ポケモンも人々も、全ての混沌の終わりを感じた。
 “かけら”たちも弾け飛び、紐が残るだけとなった。
「そんな」
 三人とも、紐をじっと眺めていた。同時に、鳥ポケモンたちは、また大いなる空へと羽ばたいていった。

(よくやったな)
 脳裏に声が浮かんだ。ニュートラルポケモンだろうか。
(本当にありがとう。だが、長く旅をしすぎてはいけない。お前にも、お前の仲間たちにも、帰る場所がある。さっき乗せた人から聞いたぞ、母はお前を待っている)
 ステラは顔をあげた。そこには、自分が心から求め続けていたポケモンがいた。
「……ニュートラル・リザードンッ! あの時オイラを祝福してくれた」
 ニュートラル・リザードンはステラと目が合うと笑顔を見せ、かがんだ。
(乗れ。私は速いぞ)
「会いたかった、本当に会いたかった」
 ステラはロトを繰り出した。体力はまだあまり回復していなかったが、ロトもリザードンを見ると笑顔を見せた。
「トック、トーック!」
(はは、元気だな。では、急ぐぞ)
 ステラはリザードンにまたがった。ロトはステラの前につく。
(出発だ)

「おーい、カグロー! エデルー! 乗ってけよー!」
「そのポケモンは」
 リザードンは、まず中央の頂へ着地した。
「そう、思い出のポケモンだよ!」
「……このポケモンが」
 カグロもステラの後ろについた。次は東の頂だ。
「ステラ、カグロ、本当に、本当によかったですわ」
「ってお前、何泣いてんだ!」
「い、いいでしょう、こんな時くらい!」
 そう言ってエデルは、カグロの後ろについた。
 カグロとエデルの首には、紐だけがぶらさがっていた。

 眼下には、今までに訪れた土地が広がっていた。

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