最強チームとなりえるか


※公式キャラクター(サブウェイマスターの二人)が登場します。

「フリージオ、……あ」
 シビルドンのターンは飛ばされたわけではない。シビルドンは、フリージオにきっちりと“電磁波”を放っていたのだ。
 フリージオは身体のしびれに震えながら耐えている。
「……いけるか、フリージオ、オノノクスに“氷のつぶて”」
 フリージオは力を振り絞り、車内ごと冷やしかねないようなつぶてを放つ。
 さきほどの地震で受けたダメージもあり、オノノクスは耐え切れずに倒れてしまった。
「まさか先手技を持っていたとは……ゆっくり休んでください、オノノクス」
 ノボリはオノノクスをボールに戻し、別のボールに手をかける。
「カグロさんのフリージオさんが持ってる技って……」
「ああ、氷技しかない。どんな手を使ってもオノノクスに先手で攻撃する、ってスタンスだ」
「なるほど……」
 シオンは納得し、相手のほうに向き直る。
「さて、ぬまぞうちゃん、次は……“滝登り”!」
 滝を登る時に使うことが多い技だが、こういったバトルでも、登ったりはしないもののダメージを与えることができる技だ。
 ラグラージはシビルドンに攻撃しようとしたが、上手く踏み込めず、威力も低くとどまった。
「……そうか!」
「わかってるならいいんですよ」
 二匹を見ていたカグロとノボリが言った。
「この列車はサブウェイマスター戦に使われる優等な車両……もちろん、加速も良いですよ」
 あまりに加速されると、列車の進行方向に向かって立つ挑戦者には不利なのだ。
「さきの六戦では全く気付かなかった……」
「七戦目、つまり私たちと挑戦者様との戦いが始まれば加速しますから。“地震”があれだけ上手くいったのも、これがあるからかもしれないですねぇ」
「っ……ぬまぞうちゃん! できるだけ窓側を背に戦うようにしてください!」
「ラグ」
「んじゃ、それまでにっ! シビルドン、“十万ボルト”!」
 シビルドンは、電気タイプのポケモンは覚えておきたい王道の技を繰り出した。“磁石”で威力が上がったその技を浴びたのは、フリージオであった。
「フリージオ! ……もう戦闘不能だな、戻っていい」
 カグロは、平静を保ちつつフリージオをボールに戻した。
「オノノクスを倒し、次に繋げられるよう土台を作った。充分だ」
「それじゃ、ノボリとカグロくんは二番戦! 次のポケモン出して!」
 クダリの一声で、二人ともボールを構える。
「加速です、ドリュウズ!」
「キノガッサ、ラスト一戦だ」
「ドリュウウウウ」
「キノッ!」

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