最強チームとなりえるか


※公式キャラクター(サブウェイマスターの二人)が登場します。

「さーて、僕のターンいくよ! シビルドン、“胃液”!」
 もうすっかり居座るだけとなったわけではなかった。シビルドンはその技で、キノガッサの特性を消しにかかった。
「これで、“どくどくだま”もキノガッサにとっては毒だよ!」
「畜生、その手が……」
 キノガッサはさっきとは一転、自分の持ち物から発する毒にあえぎ始めた。
「どうすれば……」
 戦況が危うくなった時、シオンは残り一匹のポケモンを出した。
「おぼろちゃん、勝ちにいきますよ!」
「ゲン!」
 モンスターボールから光はもれるものの出てこない……と思いきや、おぼろという名前のついたゲンガーは、一旦シオンの影に入り、それからのそりと姿を現した。
「もう……いいですよね」
「確認は取らなくていい」
「それでは、おぼろちゃん、シビルドンに“シャドーボール”!」
 素早さでゲンガーに勝てるポケモンなどめったにいない。この中でもダントツの速さで、力を込めて投げたボールは一直線にシビルドンを襲った。
「あちゃー、ついにか……。でもよくやったよ、シビルドン」
 クダリは、理由はどうあれ一番長く場にいたそのポケモンをボールに戻した。
「では私も……ドリュウズ、“つばめ返し”!」
「耐えてくれキノガッサ!」
 一度ぬまぞうに助けられたのだ、このターンを無駄にするわけにはいかない。キノガッサもカグロもそう思っていた。
「キ……キノォ……」
 キノガッサは力を振り絞って、両手でドリュウズのその技を止めた。
「やったか!?」
 素早さは劣るといえど、それは足の速さの問題だ。腕を振り上げるだけであればキノガッサにもできる。
「キ……」
 お互い腕に力を入れる。だが最終的に競り勝ったのは、ドリュウズであった。
「キノガッサ!」
 ついにキノガッサも体力が尽きた。だが、それは相手も同じであった。
「まさか、虫の抵抗で“いのちのたま”のターン計算に狂いが出るなんて」
 一度止めて相手の攻撃のリズムを狂わせたことで、“いのちのたま”による体力消費を少し多くするという効果があったのだ。
「まあ、仕方がないですね。私たちは残りのバトルを見守るとしましょう。ドリュウズ、あなたもボールの中から見守っていてください」
「ありがとう、最後になんとか力を振り絞ってくれたおかげでタイに持ち込めた。お前も結末はボールの中から見ていてくれ」
 ノボリもカグロも、最後までしっかり戦ったポケモンたちをボールに戻す。
「それじゃいくよ、アーケオス、終電までしっかりね!」
「アーク!」
 最後のポケモン――イッシュ地方で発見された化石から復活されたアーケオス――が雄叫びを上げた。

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