💙鉄道擬人化漫画 参考文献リスト【近鉄被合併会社編】

近鉄に合流した鉄道会社の当事者が遺した「被合併会社の正史」や、被合併会社を中心にまとめられた研究・連載書物のうち擬人化漫画で参照したもの一覧。
「正史」だけで語れない、被合併会社キャラの細やかな心理描写などで活かせていれば! と思います。
例のごとく永遠にβ版、随時更新。漫画本編の画像やメモを併記しております。

▼直系会社編はこちら

社史に準ずる記述(被合併鉄道会社)

『志摩電鉄秘史 附羈方村之紛擾』
大矢圖三郎、1931
1983年に日本経済評論社より出版されたものを参照したのですが、まさかの活字ではなく手書き。そして旧字パレード。
当時の私の知識では太刀打ちできなかったので、ツイッターのフォロワーさんに協力してもらったりしていました……
志摩電気鉄道が主人公の『海に映りし乙女の夢』は、ほぼ全編この文献から展開を組んでいます。
志摩の自然を言葉巧みに表現しているところ(好きすぎて一部はそのまま引用しました)と、終点の鵜方→かしこ島変更に伴う鵜方村での騒動が読みどころ。
当事者の方が書かれているようですが、序盤に記述されてる総距離が鳥羽-賢島間っぽい(本来は鳥羽-鵜方間では?)ので、回想の要素が強め。
(余談ですが『阿児町史』でもほぼこれと同じ内容のエピソードを読めるので、活字が良いという方はそちらをおすすめします)

人物記

『鉄城翁伝』
鉄城会・編、1944
伊賀鉄道→伊賀電気鉄道の創業者、田中善助氏の自伝。(路線は近鉄合流後、分離して現在は近鉄グループの伊賀鉄道)
漫画では『日帰り伊勢物語』での伊賀線の線形の話(『近畿日本鉄道100年のあゆみ』にも少し引用されています)と、香落渓の道路整備のエピソードに使用しましたが、いつか伊賀の開業話もこの本ベースに描けたらなぁと思っています。
なんというか、懐が広いお方。擬人化キャラとしての伊賀の人格形成にも多大に影響しているかと。

特定の会社を対象にまとめられた書物

※ほぼ伊勢鉄道→伊勢電気鉄道専用の章。

「伊勢電気鉄道史」
上野結城、『鉄道史料』連載
伊勢鉄道創業から伊勢電気鉄道への脱皮、そして参急への合併が一番詳しくまとめられた連載。当時の新聞記事写真が充実していて会社・自治体・株主各々の思惑を追うことができます。三重県立図書館でコピー合本を読みました。
氏は『鉄道ピクトリアル』にも記事を書かれており、そちらも漫画に反映させています。読めたおかげで加筆できたのが『不遇私設鉄道 伊勢電追想録』。

『想い出の伊勢電特急 「はつひ」で85分の旅』
椙山満・編、1987年
伊勢電特急の走る様子を臨場感たっぷりに描写されているのと、後半のプチコラムの数々が魅力の薄めの本。
『レイルロード浪漫』の伊勢電&愛電(現・名鉄)そっくりさん車両のエピソードや『伊勢街道いまむかし<下>』で描写した伊勢電ストライキシーンで描いたマークなどはここからです。

『伊勢電・近鉄の80年 桑名から伊勢神宮を結んだ懐かしの鉄道写真集』
椙山満・上野結城・編、1996年
タイトルのとおり伊勢鉄道→伊勢電→近鉄名古屋線/伊勢線の写真がメインで、作画面でも大変お世話になったのですが、直系視点の「正史」に残りにくいエピソードにさらっと触れられているので、擬人化キャラの掘り下げに大変役立ちました。
『伊勢街道いまむかし』の焚き火シーンやストライキ関連、『レイルロード浪漫』のはつひヘッドマーク自転車シーン、『窓際のコロナ』の揖斐・長良川鉄橋被爆時の関西本線乗り入れエピソードなどはここから。

どの文献も一冊から読めますので大変おすすめです。歴史上脇役となる彼らへの愛しさが増します。

漫画本編もお読みいただけますと嬉しいです!

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